いまどきの手足口病

2017/07/04
水痘の原因は水痘ウイルスです。風疹の原因は風疹ウイルスですね。それでは手足口病の原因はどうでしょうか。手足口病ウイルス?

手足口病は夏風邪の原因となるエンテロウイルスのよっておこる病気です。エンテロウイルスは67種類あり、多くは風邪の症状で終わるのですが、手足口病、ヘルパンギーナや無菌性髄膜炎などのいろいろな病気を引き起こします。

口内炎、手、足の発疹がそろうウイルス性疾患に手足口病という病名が付けられているのですが、原因は数あるエンテロウイルスの中でCA16(コクサッキーA16)が多く、ときどきエンテロ71によるものが見られます

手足口病はあまり高熱を出すことは少なく、症状も軽いことが多く、しかし時に無菌性髄膜炎や脳炎や心筋炎などの重い合併症を起こすという病気です。

東北の震災の後あたりから、高熱がみられ、のどはヘルパンギーナとしか言いようのない発赤や口内炎がみられるのに、翌日あたりに手足口病にしては派手な発疹が見られる手足口病が大流行しました。新顔のエンテロウイルスのCA6による手足口病でした。その後だいぶ大人しくなって従来のCA16やNT71などとともに流行り続けています。

同じ型のエンテロウイルスが異なる症状をきたし、異なる型のエンテロウイルスが同じ症状をきたすことがあるのです。

「ある時謎の運転手、ある時アラブの大富豪、ある時ニヒルな渡り鳥・・」昔、ピンクレディーが歌っていましたが、御存じですか?話題が古くなって申しわけないですが、エンテロウイルスもそんなところがあるのです。

メタニューモウイルスについて

2017/05/13
少し前まで、メタニューモウイルスなんて言うと「なに言うとんねん」という顔をされたものですが、最近は迅速検査も出来るようになり、マスコミなんかにも取り上げられてだいぶ知名度も上がってきたようです。

メタニューモウイルスは2001年にオランダで発見されたウイルスですが、実は新顔でもなく世界中で普通に流行っているウイルスであることが分かってきました。呼吸器疾患の原因ウイルスとしては、かなりメジャーなウイルスです。

普通は軽い風邪の症状で終わりますが、乳幼児で気管支炎や肺炎など重くなることもあります。ひとくちにヒトメタニューモウイルスと言っても、小さなお子さんではRSウイルスに非常によく似た気管支炎、大きなお子さんでマイコプラズマによく似た気管支炎や肺炎を起こすことがあります。そして、大人では鼻風邪と症状はいろいろです。

子供の呼吸器感染症ではRSウイルスに次いで多く、10%ぐらいがメタニューモウイルスによるものと考えられています。日本では3月から6月に多くみられます。

くしゃみや咳などによる飛沫感染とウイルスのついた手を介してうつる接触感染があります。人は無意識に目を触ることが多いのですが、ウイルスのついた手で目をこすり、鼻涙菅を通して鼻の粘膜で感染するという経路は呼吸器感染の感染経路としては重要です。インフルエンザウイルスの場合もそうです。したがって予防にはうがいやマスクなどの咳エチケットとともに手洗いが大切です。

多くのウイルスと同様にウイルスに効く特効薬はなく、もちろん高熱でも抗生物質はまったく効果がありません。脱水に気をつけて、安静が大切です。

気管支炎という説明すると風邪から来たものですかなどときかれて困ることが多いです。また、ただの風邪ですかなどと聞かれることもよくあります

“風邪”という病原体があるわけではありません。多くはウイルスによって、気道に炎症がおこるのですが、軽く済んでしまう場合に風邪といっているだけで病名ではなく、「大したことがないよ」と言っているだけなのです。メタニューモウイルス感染症でも軽く済んでいる時は風邪というのです。


menu次ページTOPページ前ページ