風邪薬について考える

2017/12/31
インフルエンザの季節になると救急外来には毎日毎日インフルエンザの検査を求めて沢山の患者さんが来院されます。インフルエンザの検査で陰性であるとわかると「じゃー、ただの風邪ですね!!よかった(^.^)」と・・

私は複雑な気持ちになってつい「ただの風邪なんて、病気はありません」等と言ってしまいます。

風邪は主にウイルスによって、鼻やのどなどに炎症を起こしますが、原因のウイルスがなんであれ、軽く済んでいるときにすべて風邪というのです。

例えば代表的な鼻風邪ウイルスであるライノウイルスなどは小さなお子さんでは気管支炎や肺炎を起こしたりしますし、大人の喘息だって、最大の症状増悪(今世界的には喘息発作という言葉は使わず、増悪exacerbationという言葉を使います)の原因はなんてったてライノウイルスです。

ウイルスは油断がならないインベーダーです。そのインベーダーを身体中の免疫細胞が日夜頑張って、あの手この手でやっつけてくれているのです。

風邪の症状というのは咳や鼻や下痢にしても早く体外に有害なものを出そうと頑張っている姿でもあるのです。そして熱はウイルスや細菌を弱らせ、免疫細胞の働きを強くしたりして、必死で頑張っている姿でもあるのです。

抗生物質は風邪薬ではありません。溶連菌や中耳炎などの細菌性感染症にきっちりと使うものです。

少なくとも風邪薬は風邪を治す薬ではなく、風邪の症状を和らげる薬なのです。

風邪を本当に治すのは本人の免疫力です。ゆっくり寝れば免疫力はアップしまし、病気が治るのを助けます。

風邪をひいて、体調を崩しているときは神様が休みなさいと言われているのですと 受験生の時に何かで読んだことがあります。まさに至言です。

いまどきの手足口病

2017/07/04
水痘の原因は水痘ウイルスです。風疹の原因は風疹ウイルスですね。それでは手足口病の原因はどうでしょうか。手足口病ウイルス?

手足口病は夏風邪の原因となるエンテロウイルスのよっておこる病気です。エンテロウイルスは67種類あり、多くは風邪の症状で終わるのですが、手足口病、ヘルパンギーナや無菌性髄膜炎などのいろいろな病気を引き起こします。

口内炎、手、足の発疹がそろうウイルス性疾患に手足口病という病名が付けられているのですが、原因は数あるエンテロウイルスの中でCA16(コクサッキーA16)が多く、ときどきエンテロ71によるものが見られます

手足口病はあまり高熱を出すことは少なく、症状も軽いことが多く、しかし時に無菌性髄膜炎や脳炎や心筋炎などの重い合併症を起こすという病気です。

東北の震災の後あたりから、高熱がみられ、のどはヘルパンギーナとしか言いようのない発赤や口内炎がみられるのに、翌日あたりに手足口病にしては派手な発疹が見られる手足口病が大流行しました。新顔のエンテロウイルスのCA6による手足口病でした。その後だいぶ大人しくなって従来のCA16やNT71などとともに流行り続けています。

同じ型のエンテロウイルスが異なる症状をきたし、異なる型のエンテロウイルスが同じ症状をきたすことがあるのです。

「ある時謎の運転手、ある時アラブの大富豪、ある時ニヒルな渡り鳥・・」昔、ピンクレディーが歌っていましたが、御存じですか?話題が古くなって申しわけないですが、エンテロウイルスもそんなところがあるのです。

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